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お知らせ

貸したい人と借りたい人が想いを交わす物件見学会

父が託した家を地域のために使ってほしい

近鉄菜畑駅から徒歩3分。昭和の趣を残す連棟式長屋に、この場所を起点に新たな挑戦を考える人々が集いました。この日は、恋文不動産の物件見学会。家主や宅建士、建築士、そして家の活用を希望する参加者が一堂に会し、空き家の未来を語り合いました。

物件プロフィール
築約50年、二階建ての連棟式長屋。瓦屋根や模様入りの板ガラスが印象的な、昭和レトロの佇まい。用途地域は第一種住居地域で、住宅だけでなく店舗や教室など幅広い活用が可能。家主の角野さんが「せっかくの家を眠らせるのではなく、誰かに使ってもらいたい」と思い立ち、宅建士の松山さんに相談。その結果、「恋文不動産」を通じての募集が決定しました。

参加者の声 ― 夢を語るひととき

この日、物件見学会のサポートに入ったのは、「いこま空き家流通促進プラットホーム」に加盟する宅建士の松山さん、建築士の栗原さんと寺岡さん。市の職員も同席したため、参加者は幅広い相談が可能でした。
会場では、家主とスタッフの紹介の後、参加者が一人ずつ自己紹介をして、この場所でやりたいことを話します。

ピアノ教室と子どもの居場所を

「娘がピアノの先生をしています。教室を開ける場所を探していて……。妻が保育士の資格を持っているので、放課後の子どもたちを預かれるような場も併設できたらと思っています。商売をしたいというより、地域の人と一緒に楽しめる場所にしたいです」

家庭の味をまちに届けたい

「自宅の厨房でお弁当を作ったり、プライベートレストランをしたりしています。手狭なので物件を探そうと思いました。週に数回はカフェを間借りして営業しているのですが、やっぱりアクセスの良い場所がいいなと。ここなら駅から近いし、親子連れやご年配の方にも気軽に立ち寄ってもらえると思うんです。お弁当だけじゃなく、ランチや作り置きのお惣菜なども提供できたら」

子育て世代が安心できるカフェを

「今、学童保育で働いているのですが、どこも定員いっぱいで。もっと子どもを受け入れられる場所が必要だと感じています。安心して預けられる居場所を、この家で実現できたらと思っています」

参加者の声に共通していたのは、単に自分の夢を叶えるだけでなく、地域に必要とされる場をつくりたいという想いです。その語らいは、まちの未来図が描かれていくような時間でした。

人柄ややりたいことを大切に活用方法を決めていく

その後は、参加者全員で物件の内覧を行いました。建築士の寺岡さんからは耐震や改修のポイントについて説明があり、補助金制度の活用方法も紹介されました。専門家の視点を知ることで、参加者も「階段の位置は変えられますか」など具体的な質問をしながら、リノベーションの形を考えていました。
家主の角野さんは「思った以上に多くの方が来てくださって驚いた。自分が決めるのではなく、皆さんのアイデアから物件活用を考えるのが面白い」と語ります。

宅建士の松山さんも「条件や金額だけでなく、人柄ややりたいことを重視してマッチングするのが恋文不動産の特徴。地域が動き出すきっかけになれば」と期待を寄せていました。

物件見学会の感想を参加者に尋ねると、「物件について専門的な話も聞けて、とても勉強になった。今日新たな一歩を踏み出せた気がします」と話していました。

活用者決定からオープンまで、地域に配慮したサポート体制

年明けにはプレゼンテーションの場が設けられ、活用者が決定する予定です。その後は改修や準備期間を経て、新しい拠点としてオープンする見込み。

恋文不動産の先行事例であるゲストハウスnatomi宿では、「空き家だった場所に灯りがともり、人が集う姿を見られて嬉しい」と、家主や近隣住民も喜んでいるとのこと。今回の物件も地域に良い形で溶け込んでいくように、スタッフ一同がサポートしていきます。家主の角野さんも「こんなにしっかりした体制でやってもらえることに驚いたし、安心しました」と仰っていました。

恋文不動産がつなぐもの

恋文不動産は、単なる物件紹介ではなく「人と人のご縁を結ぶ仕組み」です。家主の思いを大切にしながら、借り手の夢を後押しし、地域に新しい価値を生み出していく。
今回の物件見学会では、ピアノ教室、子どもの居場所、カフェ、民泊運営など、それぞれの夢が語られました。貸すこと、借りることで、このまちに新しい楽しみや喜びが生まれていく——恋文不動産が目指すのは、そんな循環です。